座禅の仕方

場所

適度な明るさで静かな室内がベストですが、慣れれば喧騒の街中でも座れます。線香でも焚けばもう、そこが道場です。

 

時間

長い線香一本が燃えつきる時間(約45分)が基本です。最初は20分くらいから始め、少しずつ長く座るようにします。

 

服装

着物に袴のように、ゆったりした服装で座ります。洋服の場合は、太めのズボンや、ジャージのようにラフなものを着用します。スカートの場合は、長めのフレアスカートがいいでしょう。

 

座具

座布団を一枚敷きます。さらにその上に座布団を二つに折って、自分に合った高さに重ねます。座布団の高さ次第で足が痛くなったり姿勢が不安定になります。最も安定した高さを工夫してください。

 

足

 右足を左ももの上にのせ、左足を右ももの上にのせて組みます。これを「結跏趺座(けっかふざ)」といいます。  結跏趺座ができない方は、左足を右ももの上にのせる組み方でも構いません。これを「半跏趺座(はんかふざ)」といいます。(足の組み方は反対でもOK)どちらの組み方でも、両ひざが畳より浮かないように坐ることが大切です。女性の場合は、正座でも構いません。

 

頭 顎 口

頭は天井に向けてまっすぐに立てます。顎は軽く引きます。耳と肩が垂直線上にあるように背筋を伸ばします。口は軽く結び、舌は上あごの内側につけます。

 

手

手のひらを上に向け右手を下に、左手を上にして重ねます。両手の親指は、先端がわずかに触れる程度に軽く支え合います。左右の親指で大きな卵が置けるような、楕円形を作ります。これを「法界定印(ほっかいじょういん)」といいます。肘を脇につけないようにして、この手を自分の体の方へ引き寄せます。

 

目

まっすぐ前方を見て、つぎに視線だけをを1メートルくらい前方に落とします。見つめるのでなく、そこに止めておくのです。これを「半眼に開く」といいます。目を閉じると眠気をもよおします。逆に開きすぎると、雑念が入りやすくなります。

 

呼吸

呼吸は鼻で静かに、自然にします。意識的に深い呼吸や腹式呼吸をする必要はありません。呼吸は自然にまかせることが大切です。座禅を続けていると、自然に深い呼吸になっていきます。

 

座相

 座布団の上に据置いた五輪の塔になったような気持ちで、ドッシリと腰を落とします。背すじはピンと伸ばし、肩やひじの力をぬきます。無理に下腹に力を入れる必要はありません。座禅を続けていると、自然と下腹に「気」が充実していきます。
つぎに体を前後、左右に揺らします。はじめは大きく、しだいに小さく揺り動かします。これを「揺振」といいます。そして尾てい骨と両ひざで作った正三角形の中心に体の重心が落ちるようにします。そこが安定した位置です。 呼吸も座相も自然にまかせて安定感を保つことが大切です。「座相正しければ、心これに従う」といわれています。ぜひ、正しい座相を身につけてください。
 座相を整え呼吸を整えた後に心を整えます。そのために、数息観を行います。

数息觀の仕方」の項をご覧下さい