俳句会
福岡禅会は毎月最終週、鳥飼会場の坐禅例会で俳句会を行っています。
会員の投句した力作を会員が選句・投票して、今月の「天・地・人」を選びます。最後に、それぞれの句に世話役の霊峰居士がコメントをして句会を締めくくります。
禅の悟りは、言葉や文字で言い表せないものです。その境地を俳人たちは風景や自然現象に託して、17文字で吐露してきました。禅を行う者にとっては俳句は必須科目といえるでしょう。
福岡禅会では、俳句会を会員以外の方にも開放しています。ネット投稿もOKです。もちろん月の最終週に鳥飼会場にお越しいただければ歓迎します。興味のある方はお問い合わせください。
平成27年8月俳句会結果
[天] さがし物見つけられたか赤とんぼ(真光)
[地] ゆっくりと舌を吐きたる蜥蜴かな(霊峰)
[地] クーラ背に医者は加齢と切って捨て(白堂)
[人] ふんばって流れと遊ぶ水馬(真光)
[人] とまる樹に好みあるらし蝉時雨(宗道)
[人] 油照り踏切の音高きかな(霊峰)
[人] たらちねの少し余した心太(真光)
[人] 一休み蝉が聞き入る座禅和讃
(閑雲)
[人] 入道は宝満の峰に立ち上がり
平成27年7月俳句会結果
[天] ふた心なき山梔子の白さかな(宗道)
[地] 紅差して浴衣の五歳はや娘(白堂)
[人] 太閤の割りし街並み山笠走る(宗道)
[人] 山笠を追ふ犬の尻さへ逞しき(霊峰)
平成27年6月俳句会結果
[天] 木の芽ごと匂いことなる初夏の風(瑞雲)
[天] 夏柑の皮むぐ音や唾を飲み(白堂)
[地] 新緑や日ごと快癒の気配ある(宗道)
[人] 初取りの胡瓜頂く夕餉かな(寶州)
[人] 浮き草をのっと顔出す雨の鯉(真光)
平成27年5月俳句会結果
[天] 一房の揺るるだになし藤の寺(霊峰)
[地] 紫陽花の雨を待ちわび咲きにけり(無傳)
[地] 乾杯も勢いのまま初鰹(日下部)
[地] 菖蒲湯に浸かりて願う子の成長(日下部)
[地] 朝坐禅ただひと鳴きにほととぎす(霊峰)
[人] ドヴォルザーク車中に響き麦の秋(霊峰)
[人] 麦秋や車窓より去る夕景色(日下部)
平成27年4月俳句会結果
[天] つばくらめ代代に継がるる百姓家(真光)
[地] 傷少しありていとほし白椿(宗道)
[人] 珈琲の匙ひんやりと花の冷え(宗道)
[人] 大きめのランドセルごと夢を背負い(霊峰)
平成27年3月俳句会結果
[天] 旧居あと探しあぐねて寒椿(宗道)
[地] 芽柳の空ごと水に映りをり(宗道)
[人] 土筆追い夫は昼にも帰り来ず(白堂)
[人] 木蓮の一気に開花天を指す(宗道)
平成27年2月俳句会結果
[天] 靴音も幾分軽し春隣(日下部)
[地] 梅が香に心ゆすられふと我に(宗道)
[人] 紅梅のほのかに香る神の域(日下部)
[人] なんとなく陽の輝くや春近し(寶州)
[人] 盆梅の置き場に迷う楽しさよ。(霊峰)
[人] ぼかし絵のごとき梅林つづきけり(宗道)
平成27年1月俳句会結果
[天] 孫去りてぽつんと残る雪だるま (宗道)
[地] 浜に出て貝拾ふ子や日脚伸ぶ (霊峰)
[人] 年をへて春待つ心いやに増す (無傳)
平成26年12月俳句会結果
新年1月句会の締切は17日(土)です。
いつも通り5句までの投句です。1句でもかまいませんので、霊峰までメールかファックスで投句をお願いします。
[天] 冬晴れの空ごと磨くサッシかな(霊峰)
[地] 鯛焼きを割って新婚の如く分け(霊峰)
[地] 枯葉散りにはかに空の広がれり(宗道)
[地] 陽だまりに身を寄せ合ふて石蕗の花(宗道)
[地] 地下足袋の男ら囲む暖炉かな(淨淵)
[人] 山裾を彩り静か冬紅葉(寶州)
平成26年11月俳句会結果
12月句会の締切は14日(日)です。
今回は摂心会の懇親会の中で行います。11月は投句が初めて30句を切りました。どうかできるだけ多くの方の参加を希望します。このページを御覧になった方なら、どなたでも構いません。
1句~5句までをkijimakougen@yahoo.co.jp 霊峰まで。
[天]みどりごのいよいよおねむ毛糸帽(真光) 3点
[天]吊し柿吊し終えたる背中かな(霊峰) 3点
[天]古里の夜凍てつきて満天星(白堂) 3点
[天]新しき仕事を得たり日記買ふ(淨淵) 3点
[天]赤づきんかむりし地蔵面やさし(宗道) 3点
[地]天平の鐘青さびて冬紅葉(宗道) 2点
[地]師が詠みし五十七歩を辿り行き(白堂) 2点
[地]見つむるや上手からぬ子の寒稽古(真光) 2点
[地]隠寮の窓焼き尽くす夕紅葉(白堂) 2点
[地]赤黄色緑織りなす銀杏かな(大塚) 2点
[地]七五三スマホで届く晴れ姿(宗道) 2点
[地]眠さうな猫を尻目に冬支度(霊峰) 2点
平成26年10月俳句会結果
11月句会の締切は20日(木)です。
いつも通り5句までの投句です。1句でもかまいませんので、霊峰までメールかファックスで投句をお願いします。初めての方、遠方の方も大歓迎です。
メールアドレスは、kijimakougen@yahoo.co.jp 霊峰まで。
なお、前回の結果発表の際、pdfファイルの標記に誤りがありました。「天」句「心地よく晴れて」は「心地よく疲れて」の間違いです。失礼しました。
[天] 翡翠の青を残して飛び去りぬ(宗道)
[天] 貝殻を拾い集めて天高し(霊峰)
[地] 竹箒立て掛けし戸や夕紅葉(霊峰)
[地] コンバイン轍を残す刈田かな(宗道)
[人] 肘当ての服を纏ひて案山子かな(霊峰)
[人] 水澄し里の小川の清き音(寶州)
[人] 蓑虫の風にふかるるばかりなり(淨淵)
[人] 秋の峰とうんと響く銃の音(霊峰)
平成26年9月俳句会結果
10月句会の締切は26日(日)です。
いつも通り5句までの投句です。1句でもかまいませんので、霊峰までメールかファックスで投句をお願いします。
[天] 心地よく疲れて栗のご飯かな(霊峰) 5点
[地] 行過ぎてほたりと落ちた栗小枝(真光) 4点
[地] 延長五十回高校野球や天高し(寶州) 4点
[地] 田一枚縁取りにけり曼珠沙華(霊峰) 4点
[地] 雲のさま変わって見える彼岸かな(瑞雲) 4点
[人] 爽やかや卒寿老師の高笑ひ(淨淵) 3点
[人] 目をやれば赤絨毯や彼岸花(無傳) 3点
[人] 秋季語のページに栞亡母のメモ(白堂) 3点
[人] 励まされふと踏みしめる朝のつゆ(真光) 3点
[人] 爽やかや全て忘れし母の笑み(淨淵) 3点
[人] すべすべと博多端切れは紅葉色(白堂) 3点
[人] 作務おえてうまさもうまし梨の味(無傳) 3点
平成26年8月俳句会結果
9月句会の締切は23日(火)です。
今月は摂心会や記念式典で忙しい日が続きます。一句でもかまいませんので、霊峰までメールかファックスで投句をお願いします。
[天] 降る雨に送り火蒼く沈みけり(篠原) 4点
[天] 臆病な犬いとほしや遠花火(霊峰) 4点
[地] 夕虹を追ひつつ辿る家路かな(宗道) 3点
[地] 飛行機は夏雲の上青の中(瑞雲) 3点
[人] 草いきれトタンの壁の錆模様(霊峰) 2点
[人] 古里へ鎌研ぎて行く盆支度(淨淵) 2点
[人] 蚊を打てば掌に写りたる縞模様(宗道) 2点
[人] 遠花火何処で上がりし外は雨(寶州) 2点
[人] 芋づるを手繰りて作る盆の路(淨淵) 2点
平成26年7月句会結果
8月句会の締切は15日(金)です。
暑い中ですが、霊峰までメールかファックスで投句をお願いします。
[天] パン焼きの匂ひ漂ふ木槿垣(宗道) 5点
[地] 蜘蛛の知る蜘蛛の囲架ける手順あり(門屋)4点
[地] 紫陽花や通りすがりにふと撫づる(宗道) 4点
[地] 夏めきて浜辺の子等の肌白し(門屋) 4点
[地] いわれある苔寺に座す雨蛙(篠原) 4点
[人] 人気なき空地に枇杷のたわわなる(宗道) 3点
[人] したたるる汗も得意げヤマ慣らし(白堂) 3点
[人] オロシアの大向日葵の高笑い(淨淵) 3点
[人] 海開祝詞かき消す飛沫かな(淨淵) 3点
[人] 娘柄浴衣羽織ってまた脱いで(白堂) 3点
[人] 大風の去りて玄海月満る(白堂) 3点
平成26年6月句会結果
7月句会の締め切りは15日(火)です。
参加希望の方は、霊峰までメールで投句をお願いします。
[天]冷奴角を崩して一人酒(霊峰)7点
[地]せせらぎに小鮒の群れて夏きざす(宗道)6点
[人]手をほどき孫が摘みたる夏の花(大塚)5点
[人]綾織りの川面かすめて夏燕(門屋)5点
[人]濠埋めて蓮の葉風を起こしけり(門屋)5点
[人]一滴の梅雨手に受けて仰ぎ見る(徹心)5点
[人]風鈴や静まりて又鳴りはじめ(徹心)5点
平成26年5月句会結果
今回は、3点句が七句です。時にこんなことがあるのも、句会の面白いところでしょうね。
[天] 磨崖仏瀧音轟轟夏近し (寶州)
[天] 入学や亀一列に甲羅干し (西田)
[天] 山門の奥に声あり若緑 (門屋)
[天] 故郷の母思いつつ粽くふ (西田)
[天] 風薫る空は光の粒子満ち (霊峰)
[天] 夜も匂ふ新樹の中の警備かな (淨淵)
[天] クレヨンのどの色取るか山若葉(宗道)
平成26年4月句会結果
[天] 叱られて春のぬかるみ靴の跡(徹心) 8点
[天] 桜餅はるけき祖母の匂いかな(門屋) 8点
[天] 鯉の背に二ひら三ひら花衣(宗道) 8点
[地] 草を引く細き背に降る春の雨 (白堂) 6点
※ pdfファイルでは「降る」が「振る」になっていました。お詫びして訂正します。
[人] 木蓮の散りて真白き裏を見せ(宗道) 5点
[人] 春泥を鼻先に犬悠々と(霊峰) 5点
[人] 樹々もまた春と共にか衣がえ(無傳) 5点
平成26年3月句会結果
4月句会の投句締め切りは15日(火)です
[天] 梅が香にふらりと路を変へにけり(宗道) 7点
[地] 四五本の蕨置かれし地蔵かな(淨淵) 5点
[人] 日と風とささやきて咲く黄水仙(徹心) 4点
平成26年2月句会結果
[天] 春浅き古窯の里の薄煙(淨淵) 5点
[天] 風花の一さし舞へば跡もなく(宗道) 5点
[地] 寂寥の足立連山斑れ雪(白雲) 4点
[地] 散り落ちて地面を染める寒椿(無傳) 4点
[地] 今朝もまた眼鏡どこかと古希の春(白堂)4点
[人] 梅が香の送り迎える寓居かな(宗道) 3点
[人] 朝市や群がる人の息白し(西田) 3点
[人] 闘病のにごり湯熱き夜寒かな(白雲) 3点
※ 次回句会は3月の参禅会中を予定しています。あまり日数はありませんが、3月2日(日)を締切に投句をお願いします。(遠方の方の事前選句をお願いする関係で、やむを得ない場合でも水曜までには霊峰までお寄せください。)
平成26年1月句会結果
[天] 遠き日のコートの母の下駄の音(門屋) 7点
[地] 理髪の灯せはしくまはる師走かな(宗道) 4点
[人] 髭先に寒さ集まる朝かな(霊峰) 3点
[人] 自販機のごとりと鳴るや寒の雨(浄淵) 3点
[人] 穏やかな潮の流れや初明り(白雲) 3点
[人] 柚の香の朝風呂に満ち早や七日(白堂) 3点
[人] 初夢は叶う夢よと夢を追う(田中) 3点
[人] 克明に雲映す堀枯はちす(石濱) 3点
※ 次回句会の投句締切は2月12日(水)です。五句までを下記アドレスへお送りください。(ニューカマー歓迎です)
他の俳句会の結果
本部道場互礼会句会:第1位
一筆が身にしむ友の賀状かな(小野宗道)
九州・中国地区互礼会句会:第3位
行く人の足袋の白さや初明り(二宮霊峰)
福岡禅会大活躍です!
平成25年12月句会結果
[天] しぐるるや散歩のリズム乱れける (宗道) 5点
[天] 咳きこんで祖母の秘伝の梅を焼く (白堂) 5点
[地] つはぶきの色鮮やかに夕時雨 (白雲) 4点
[地] 枯露柿を両手で包み粉を拭く (田中) 4点
[人] 熟れた柿人とカラスのにらみあい (西田) 3点
[人] 短日や部活帰りが闇を過ぐ (寶州) 3点
[人] 里山に朱筆の入りて紅葉山 (宗道) 3点
[人] 一炷香わが身老ひゆく寒夜かな(徹心)3点
[人] 極月や妻の指図に素直なる(浄淵)3点
平成25年11月句会結果
[天] 路地うらに朝餉の匂いつわの花(宗道)
[地]石仏のへの字の口や冬隣(霊峰)
[地]母の背のいよよ丸まる冬来る(浄淵)
[人]夜勤明け小路に石蕗のまぶしかり(浄淵)
[人]秋の夜のいずこの寺の木魚かな(徹心)
[人]打ちそろい明かり障子の茶席かな(門屋)
平成25年10月句会結果
[天] 秋鯖や出刃の光をたしかむる (浄淵)
[地] 孫も来ぬ庭に無花果たわわなり (白堂)
[人] 蔦紅葉土塀崩れしままの家 (浄淵)
[人] 鶏頭の赤の溢るる朝(あした)かな (霊峰)
[人] 海峡の千古の浪や秋日和 (白雲)
[人] 天高し妻の小言もうわの空 (徹心)